残業代・未払い賃金で労働審判を申し立てられた場合の会社側の対応について弁護士が解説

文責 岩出 誠(弁護士・東京都立大学法科大学院非常勤講師)

はじめに

会社経営において、従業員(または元従業員)から労働審判を申し立てられることは、重大なリスク局面です。特に残業代請求においては、企業の安易な反論が致命傷となり、想定以上の支払いを命じられる場合も少なくありません。即ち、残業代・未払い賃金を理由に労働審判を申し立てられた場合、会社側は迅速かつ的確な対応を求められます。労働審判は原則3回以内の期日で終結するため、早期の段階で主張と証拠を整理し、戦略的に対応することが重要です。

実務的経験を踏まえて、結論を言うと、本来、残業代請求を徹底的に遂行した場合の事務負担は、労働者側に大きいものです。しかるに、3回で結論を求める労働審判で残業代請求をしていると言うことは、通常は、厳密な残業時間の計算によることなく、いわば、ざっくりした残業計算での解決を求めていることを示唆しています。つまり、訴訟での和解に比較すれば、かなりの譲歩を求め易いのが一般的です。その点を留意すべきです。

本稿では、上記のように、労働審判手続の特徴と筆者の実務経験を踏まえた上で、企業側が取るべき実務的対応について、最新の裁判例や法令に基づき解説します。

1 第1回期日の調整

先ず、労働審判を申し立てられた当事者、特に代理人弁護士を困惑させるのは、第1回期日が、申立て後40日以内に指定され、その期日の変更が原則不能ということです(労審則13条)。この点は、東京三弁護士会と東京地裁労働部の裁判官との労働訴訟協議会等を経て、期日指定後1週間以内程度の間であれば、裁判所配布資料のとおり(裁判所が配布している「相手方代理人となられた皆様へ」等参照)、原則40日の範囲内で調整が可能となっていますが、準備の大変な点は変わっていません。

人事労務関係の報道等でも、この点は十分に理解されておらず、裁判所からのパンフレット等でも指摘されていながら、企業において安易に通常の訴訟と同じ気持ちで、第1回期日直前に弁護士事務所に駆け込んでも、十分な対応ができず裁判所に不利益な心証を形成される危険があります。もちろん、不満な審判には異議を申し立てて通常訴訟に移行できますが、不利な労働審判を経て本案段階から受任した筆者の経験からも、不利益な審判が出たダメージを回復するのは容易ではない、と指摘しておきます。裁判官との前掲・協議会でも、訴訟に移行しても裁判所が審判の結果を覆すことは稀であることを認めています。

2 初動対応と証拠の準備

 内容的には、労働審判を申し立てられた会社は、まず労働者側の主張する残業時間が労働基準法上の「労働時間」に該当するかを精査する必要があります。その上で、自社の主張を裏付ける証拠を準備し、提出することが不可欠です。

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3 労働時間の把握と証拠提出義務

使用者には、労働基準法を遵守し、労働者の労働時間を把握する義務があります。そのため、会社としてどのように労働時間を把握していたかを具体的に主張し、それに基づき算定した労働時間を示す必要があります。

タイムカード、業務日報、タコグラフなどの労働時間に関する客観的な証拠は速やかに提出しなければなりません。これらの書類は労働基準法により保管義務が課されており、訴訟における提出義務もあります。

会社側にタイムカードなどの客観的な記録がない場合、労働時間管理義務を怠ったと見なされ、労働審判の審尋中に、不利な状況に陥る可能性があるため注意が必要です。これは、労働者側にも決定的な証拠がない場合でも同様です。

4 基礎賃金の算定

労働者側が主張する「1月平均所定労働時間数」に対して、単に「不知」とするのではなく、会社が把握している数値を計算根拠と共に具体的に主張すべきです。これは就業規則の記載事項に基づいて算出可能です。

5 会社側が検討すべき主な法的論点(抗弁・積極否認)

労働者側の請求に対し、会社は以下のような法的論点を主張・立証することで対抗します。

(1)労働時間性の否定

労働者側が主張する時間が、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれた「労働時間」に該当しないことを主張します。例えば、移動時間であったり、自由な休憩時間や、参加が任意な準備体操であったことなどを裏付ける証拠を提出します。

(2)割増賃金の支払義務の否定

主張された時間が労働時間に該当するとしても、割増賃金の支払義務がないことを主張します。具体的な主張としては以下のものがあり、それぞれ裏付けとなる証拠の提出が必要です。

(ア)管理監督者への該当

当該労働者が労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある「管理監督者」(労働基準法41条2号)であることを主張する場合があります。

しかし、裁判例では、管理監督者性が認められるためには、形式的な役職名だけでなく、①局長、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について職務内容、責任、権限が経営者と一体的か、②出退勤について厳格な制限を受けず裁量があるか、③地位にふさわしい賃金上の処遇を受けているか、といった要素が実質的に問われます。役職や給与が高くても、職務権限や労働時間の裁量が乏しい場合は否定される傾向にあります。

上記の3つの判断四要素の中で最も重視されるのは、①の権限であると解され(これを認めて管理監督者性を認めた最近の例として、ネクスコン・ジャパン事件・大阪地判令3・3・12労判1313号98頁、BALM(旧ビッグモーター)事件・岐阜地判令6・8・8労経速2565号27頁、大東建託事件・東京地判令7・3・21労ジャ161号32頁等)、これが希薄なため、処遇に高さや時間的拘束性に希薄さが認められても、管理監督者該当性が否定されています(三井住友トラスト・アセットマネジメント事件 ・東京高判令4・3・2労判1294号61頁、日産自動車事件・横浜地判平31・3・26労判1208号46頁、学校法人 松山大学事件・松山地判令 5・12・20労経速2544号3頁、Can Internatioal税理士法人事件・東京地判令6・12・24労ジャ159号30頁、医療法人もみじの手事件・大阪地判令7・3・24労ジャ161号28頁等等)。

(イ)裁量労働制・事業場外みなし労働時間制の適用

専門業務型・企画業務型裁量労働制や、事業場外労働に関するみなし労働時間制の適用対象者であることを主張する場合もあります。

特に事業場外みなし労働時間制(労働基準法38条の2)については、「労働時間を算定し難いとき」に該当するか否かが争点となります。日報の提出だけでは直ちに算定可能とはならず、その報告内容を会社が現実的に確認・把握できるかどうかが問われます(例えば、協同組合グローブ事件最三小判令6・4・16労判1309号5頁)。携帯電話を保有する営業社員にも事業場外みなし制の適用が認められることはあります(上記協同組合グローブ事件、ナック事件・東京地判平30・1・5労経速2345号3頁等)。

しかし、「添乗業務について,会社は,添乗員との間で,あらかじめ定められた旅行日程に沿った旅程の管理等の業務を行うべきことを具体的に指示した上で,予定された旅行日程に-途中で相応の変更を要する事態が生じた場合にはその時点で個別の指示をするものとされ,旅行日程の終了後は内容の正確性を確認し得る添乗日報によって業務の遂行の状況等につき詳細な報告を受けるものとされているということができる。/以上のような業務の性質,内容やその遂行の態様,状況等,本件会社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法,内容やその実施の態様,状況等に鑑みると,本件添乗業務については,これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと解するのが相当である」とした阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第2)事件・最二小判平26・1・24労判1088号5頁や、スマートフォンの位置情報等で出退勤時刻を把握できるシステムを導入した後は、「算定し難い」とはいえないと判断されたセルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件東京高判令4・11・16労判1288号81頁もあります(従業員の労働時間の把握の方法としてシステムを導入し、MRに対して、貸与しているスマートフォンから、位置情報をONにした状態で、出勤時刻及び退勤時刻を打刻するよう指示した上、月に1回「承認」ボタンを押して記録を確定させ、不適切な打刻事例が見られる場合には注意喚起などをするようになった。そうすると、同月以降、会社は、直行直帰を基本的な勤務形態とするMRについても、始業時刻及び終業時刻を把握することが可能となったとされました)。

専門職型裁量労働制の適用の主張に当っては、対象専門業務に当らないとされたり(専門業務型裁量労働制の対象となる「税理士の業務」とは、税理士法3条所定の税理士となる資格を有し、同18条所定の税理士名簿への登録を受けた者自身を主体とする業務をいうと解するのが相当であり、被控訴人・附帯控訴人(一審原告)「Xは、税理士となる資格を有せず、税理士名簿への登録も受けていなかったのであるから、その業務は専門業務型裁量労働制の対象となる「税理士の業務」ということはできない」とされたレガシィほか1社事件・東京高判平26・2・27労判1086号5頁等)、専門業務型裁量労働制における労使協定締結が無効とされる場合があり(学校法人 松山大学事件・松山地判令 5・12・20労判1320号5頁)、有効要件に留意すべきです。

(ウ)固定残業代(みなし残業代)による支払い

年俸制や固定の手当に時間外労働等に対する割増賃金が含まれている旨の合意があったことを主張する例も多いです。

しかし。これが有効とされるためには、判例上、通常の労働時間の賃金にあたる部分と割増賃金にあたる部分とが明確に区分されており(明確区分性)、かつ、実際の時間外労働等に対する対価としての実質があること(対価性)が必要です(日本ケミカル事件・最一小判平30・7・19労判1186号5頁)熊本総合運輸事件・最二小判令5・3・10労判1284号5頁、。実際の時間外労働が固定分を大幅に上回る場合などは、公序良俗違反とされたり(イクヌーザ事件・東京高判平30・10・4労ジャ82号26頁、国・渋谷労基署長(カスタマーズディライト)事件・東京地判令5・1・26労判1307号5頁、木の花ホームほか1社事件・宇都宮地判令2・2・19労判1225号57頁等)、対価性が否定され無効と判断されるリスクがあります(サン・サービス事件・名古屋高判令2・2・27労判1224号42頁)。しかし、高額な固定残業代の定めであるにもかかわらず、実際の時間外労働時間とは直ちに結び付かないとして、有効性を認めた例もあります(コロワイドMD(旧コロワイド東日本)事件・東京高判平28・1・27労判1171号76頁、イヌクーザ事件・東京地判平29・10・16労経速2335号19頁、結婚式場運営会社A事件・東京高判平31・3・28労判1204号31頁。住友不動産事件・名古屋地判令5・2・10労経速2515号31頁、ゆうしん事件・東京地判令5・10・6労経速2558号27頁等)。

逆に、差額精算が適切に行われている場合などは有効と判断されることもあります(レインズインターナショナル事件・東京地判令元・12・12労経速2421号3頁)。

(エ)消滅時効の援用

賃金請求権の消滅時効期間(3年)を経過した部分について、時効を援用します。時効の主張(援用)をしなければ、裁判所は考慮してくれません。

(オ)付加金の留意点

 通常訴訟では、裁判所は、会社の違反の程度が悪質であると判断した場合、未払割増賃金と同一額を上限とする「付加金」の支払いを命じることができます。例えば、労働時間管理システムの記録を意図的に修正していたケース(レインズインターナショナル事件 東京地判令和元年12月12日)や、第一審で敗訴した後も合理的な理由なく支払いを拒絶し続けたケース(アートコーポレーション事件 東京高判令和3年3月24日)で付加金の支払いが命じられています。一方で、管理監督者性の解釈を争うなど、会社側の主張に相応の理由があったと認められる場合は、付加金の支払いが免除されることもあります(前掲三井住友トラスト・アセットマネジメント事件 東京高判)。

 しかし、労働審判では、申立人側が、労基法114条ただし書き、143条2項の除斥期間の適用を回避すべくこの支払いを求めきても、この支払いが認められることはありません(岩出誠「労働法実務大系」第2版〔民事法研究会〕32頁)。

(カ)遅延損害金

退職した労働者に対する未払賃金には、年14.6%という高率の遅延損害金が課される可能性があります(賃金の支払の確保等に関する法律6条)。

ただし、賃金の存否について「合理的な理由」があって裁判所で争っている間は、この高利率の適用が除外されます。しかし、判例では、賃確法6条2項が定める同条1項の遅延損害金の適用除外について,同法施行規則6条にいう「合理的な理由により,裁判所(中略)で争っていること」とは,単に事業主が裁判所で退職労働者の賃金請求を争っているというのでは足りず,事業主の賃金支払拒絶が天災地変と同視しうるような合理的かつやむを得ない事由に基づくものと認められた場合に限られると解するべきであるとされ(医療法人大寿会(割増賃金)事件・大阪地判平22・7・15労判1023号70頁)、例えば、管理監督者性の解釈が争点となった場合(プレナス(ほっともっと元店長B)事件・大分地判平29・3・30労判1158号32頁)や、専門業務型裁量労働制の対象業務の解釈が争われた場合(レガシィほか1社事件・東京高判平26・2・27労判1086号5頁)に「合理的な理由」が認められています。

しかし、前述のように、単に裁判で争っているだけでは足りず、根拠の薄い主張を繰り返すなど、争うことに合理的な理由がないと判断されると、14.6%の利率が適用される可能性があります(大島産業ほか(第2)事件・福岡高判令元・6・27労判1212号5頁、大成事件・東京高判令6・4・24労判1318号45頁等)。

つまり、会社側は、高利率の適用を避けるために「合理的な理由」があることを積極的に主張・立証する必要があります。

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6 労働審判期日における対応

労働審判を申し立てられた使用者側弁護士は、手続の迅速性という特性を理解し、特に第1回期日までに万全の準備を整えることが極めて重要です。代理人の準備の質が、調停案の内容や手続の帰趨に直接影響を与えるため、以下のような、戦略的な対応が求められます。

(1)調停(話し合い)と審判(判断)

労働審判は、審判官(裁判官)1名と労働審判員2名(労使の専門家)で構成されます。基本的には「調停(話し合いによる解決)」を目指しますが、合意に至らない場合は「審判(裁判所の決定)」が下されます。

(2)審尋への対応

労働審判法第20条に基づき、委員会は職権で事実調査を行います。会社側の担当者は、審判官や審判員からの鋭い質問(「なぜタイムカードがないのか?」「この業務日報の時間は実労働ではないのか?」等)に対し、その場で即座に、かつ合理的に回答できなければなりません。

(3)解決金の相場観を持つ

会社側に不備(未払い)があることが明らかな場合、早期解決のために解決金(和解金)を支払う判断も必要です。判決まで争って遅延損害金(退職後は年14.6%:賃金の支払の確保等に関する法律第6条)や付加金が加算されるよりも、一定の解決金で早期に紛争を断ち切る方が、弁護士費用や訴訟中の諸経費、労力等の負担や、判決までに至った場合の風評リスク等の社会的・経済的合理性が高いケースが多くあります。

この点で、実務上留意すべき点は、本来、残業代請求を徹底的に遂行した場合の事務負担は、労働者側に大きいという事実です。つまり、残業代は日々発生する関係で、本来、労働者側が、消滅時効にかかっていない3年間の請求期間中の日々の労働時間中に実際に労働に従事していたことを延々と主張立証する必要があり、そのため、2年以上の訴訟期間を要することもあります。筆者もその経験があります。

しかるに、3回で結論を求める労働審判で残業代請求をしていると言うことは、厳密な残業時間の計算によることなく、いわば、ざっくりした残業計算での解決を求めていることを示唆しています。つまり、訴訟での和解に比較すれば、かなりの譲歩を求め易いのが一般的です。

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7 異議申立てと通常訴訟への移行

労働審判の結果(審判)に不服がある場合、審判書の送達から2週間以内に異議申立てを行うことで、審判は効力を失い、自動的に通常訴訟へ移行します(労働審判法第21条、第22条)。

しかし、労働審判で形成された心証(裁判官の印象)は、通常訴訟でも引き継がれることが多いため、単に「不満だから」という理由で移行するのは得策ではありません。新たな証拠が出せるか、法的主張を根本から再構築できる見込みがあるか等を慎重に検討する必要があります。

8 まとめ

労働審判を申し立てられた場合、会社側が取るべきアクションは以下の通りです。

(1)即時の弁護士選任

 申立書到着から第1回期日までの時間は極めて短いです。

(2)証拠の保全

 タイムカード、PCログ、就業規則、雇用契約書、給与明細等を直ちに確保してください。

「固定残業代」「管理監督者」の再検証: 従来の社内常識を捨て、裁判例の基準に照らして主張が通るか客観的に評価する必要があります。

(3)答弁書の作成と提出

 労働審判は、通常の訴訟とは異なり、第1回期日から実質的な審理が行われます。そのため、訴訟で言えば、最終準備書面に近い完成度の高い答弁書の準備が手続の成否を分ける鍵となります。

特に、東京地裁労働部では、証拠を審判員に配布しないため、審判員がこの答弁書で、大方の心証形成する可能性が大きいことを肝に銘じてください。

(4)充実した内容と証拠の提出

労働審判の答弁書では、単に請求を争う旨を記載するだけでは不十分です。申立ての趣旨に対する答弁、事実に対する具体的な認否(否認理由を含む)、抗弁事実、予想される争点、証拠、交渉経緯の概要などを詳細に記載し、関連する証拠も全て提出する必要があります。

労働審判は弁論主義が適用されない非訟事件であるため、主張立証責任にとらわれず、使用者側から見た事案の全体像を労働審判委員会に分かりやすく説明することが効果的です。希望する解決案も具体的に記載することが求められます。

(5)期限の厳守

答弁書等の提出期限は厳守しなければなりません。委員会を構成する非常勤の審判員は、書面を検討する時間が必要であり、期限が守られないことに対して、社会常識に照らして厳しい指摘をすることや、遅れた側に不利な心証形成がなされることも少なくありません。

(6)未払賃金(残業代)事件

管理監督者性を主張するなどの全面棄却を求める抗弁がある場合でも、労働者側が主張する労働時間や算定基礎額といった請求原因事実に対する具体的な認否・反論をおろそかにしてはなりません。

使用者には労働者の労働時間を把握する義務があるため、単に「否認する」のではなく、会社が把握している具体的な労働時間やその算定根拠(始業・終業時刻や休憩時間の特定方法)を証拠と共に主張する必要があります。

労働者側が主張する「1月平均所定労働時間数」についても、「不知」とせず、就業規則等に基づく計算根拠を示して反論すべきです。

(7)期日への臨み方と調停への対応

労働審判は第1回期日が勝負であり、それまでに提出された書面や証拠によって委員会の心証がおおむね形成されます。そのため、どのような解決を目指すのか、常に見通しをもって手続に臨むことが不可欠です。

調停においては、たとえ使用者側に不利な心証が示された場合でも、訴訟に移行した場合のリスク等を踏まえ、調停による解決を視野に入れて依頼者を説得することも重要です。その際、予め複数のパターンの解決金額を試算しておくことや、その場で金額を決定できる体制を整えておくことが、迅速かつ妥当な解決につながります。

残業代・未払い賃金で労働審判を申し立てられた場合の会社側の対応について当事務所でサポートできること

残業代・未払い賃金で労働審判を申し立てられた場合の会社側の対応については、上記でも多くの経験に触れているように、100件以上の残業代請求交渉・団交、訴訟、労働審判等の豊富な経験と、これを踏まえた研究に基づく著作・論文等も多く出し、最新労働時間法制と最新判例研究に即した労働時間管理関係の就業規則等の諸規程やマニュアルの整備、既存の就業規則等の見直し、改正への助言や作成について多くの経験を有する当事務所にご相談いただければと思います。

また、残業代抑制や労働時間管理、労働時間関係の改正法令、最新裁判例等についてのセミナー講師などでにおいても、ご相談いただければと思います。

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Last Updated on 2026年1月9日 by loi_wp_admin


この記事の執筆者:弁護士法人ロア・ユナイテッド法律事務所
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